諏訪というエリアが守り通したもの 【KS 93】

2022-07-04 Mon.

諏訪の神社には「鹿食免(カジキメン)」というお守りがあります。

これはどういうものかというと「肉食OK」というお札です。室町時代や江戸時代の日本では、「肉食のタブー」というものが全国的に大きな影響力を持っていました。もともと仏教の修行僧限定みたいなルールだった「肉食タブー」がなぜか一般庶民にまで拡大して影響力を持っていた時代があるのです。(だから、明治期に西洋文化が入ってきた時にあらためて「肉食解禁」みたいなことが起こった)

そういう「肉=基本は食べないものでしょう」みたいな常識が強かった時代においても、「うちの神社の札をもってれば、肉食OKだよ」という札を出していたのが諏訪神社の特徴です。

「肉食や狩猟」といった文化を、「肉は食べないほうがよい」というお寺発の常識が非常に強かった時代にも守り通していたのが諏訪という土地だという風に私はとらえています。

諏訪は「よい意味での根性がとてもある」と言うこともできるでしょう。(笑)

私自身は

「肉を食しないほうが運がよくなるとか信じてません。」

という派です。

(人によってはそういうこともあるでしょうが、自分には無関係だと思ってます)

ただ、世の中の100万人に99万人くらいが「菜食のほうが超健康になる」と言ってたら少しは気がめいると思います。

私が、諏訪の歴史が気合が入っていてよいなと感じるのは、

「他の地域で、肉食や狩猟に優しくない価値観が支配的になっていく中でも、自分たちの価値観を守り通したこと」

です。

この「自分たちのライフスタイルを守る意志」というのは非常に大切なパワーだと思っています。

余談)

戦国大名の武田氏の家宝あるいはレガリア(王権の象徴)とよんでもよいものに

・諏訪法性兜(すわほっしょうのかぶと)(時代劇や絵巻物で信玄がかぶってるあれ)
・御旗・盾無

がありますが、こちらも諏訪法性の兜は名前の通り諏訪ゆかりです。

余談2)

もののけ姫(映画)では鹿の首が重要なアイテムとして扱われますが、諏訪のお祭りは狩猟神にささげるおまつりなので鹿の首を神前にずらっと並べるものがあります。(御頭祭)

現代では剥製をつかっているようですが、もとは生の鹿の首をずらっと神前にならべていたようです。この風景は「ほんとに諏訪は狩猟の神なんだなあ」という実感が得られるので、写真や絵でもよいので、機械があれば見ておくことをおすすめします。

「日本文化=稲作が全てだ」みたいなカジュアルな日本文化論の常識が書き換わります。(狩猟文化もそれはそれで存在していたという事実を実感することができます)

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