タロットやオラクルのための「抽象度」

2023-03-11 Sat.

抽象度という概念は「ズームして見たり、引いて見たりすること」「世界への臨場感をを高めたり低めたりする」という2つの要素があると定義することができます。

1.ズームの視点(引いてみたり、よってみたり)


1つ目は、悩みや問題をどのレベルでみるかを操作するというズームの視点です。たとえば、「人生を、より幸せにしたい(抽象度マックス、ズームアウト)」のか「いま、もっと睡眠がほしいのか(具体性マックス、ズームイン)」ということです。

具体的なレベルで考えるのか抽象的なレベルで考えるのか、細かく考えるか大雑把に考えるか、ここを移動させることが重要という話になります。


例えば、タロットやオラクルの「使い方がわからない」と感じる時に起きていることの1つは、カードを解釈する「抽象度が低すぎる」ことです。

「火」という文字や「炎」の絵があった時に、「ガスコンロの火」しか連想できないとどうにもなりません。

ただ「火」といえば「浄化」、「浄化」といえば「意識の浄化」、意識の浄化といえば「真の望みを知ること」、「真の望みを知る」といえば「好き嫌いを言葉で把握すること」、「好き嫌い」といえば「感情がベース」、「感情がベースなら、好きをストレートに好きと言おう(嫌われることは気にせずに)」

みたいに抽象度を少しだけ上げ下げした連想ができれば、「解釈ができなくて使い方が分からない」といことは少なくなります。

実際的にいい質問をするには抽象度は「上げたり下げたり」が必要です。が、多くの人にまず最初に必要なことは「抽象度を上げる視点を使えるようになること」です。

なのでよくある自己啓発などの本では「とにかく抽象度を上げろ。目の前のことに縛られるな」というような内容を言うものが多いと聞いています。

臨場感

2つ目は「何を現実と感じるか」という「臨場感」を切り替える視点を持つということです。

「悩み」に対する「臨場感(共感と言い換えてもよい)」が高すぎると、正しくその問題を見ることはできません。問題を「あるがまま」で見るには、適度に「他人事」として見ることが必要です。ここに抜けがあると、カードに何を聞いても「よくわからない」になります。

よく自分を占うのは難易度が高いということが言われますが、これは「自分のことを他人事としてみること」が難しいということに由来します。変な話、練習なら他人を見るほうが楽なものです。

こちらに関しては、伝統的な仏教の用語を使うなら「一切皆空」の視点、「目の前の事象の臨場感を限りなく0に近づける」という見方をまず身に着けた上で、「いいものはいい、わるいものはわるい」という善悪の判断をするという順序を訓練しておくとよいでしょう。

1.既存の価値観をほぼ0までリセットしたうえで
2.あらためて善悪や意味を付加する

という経験を色んなところでしましょうということです。

「正義」という概念がいい例ですが、「かわいいは正義!」と思えば世界はそう見えますし、「美醜などどうでもよいが正義!」と思えば世界はそう見えます。「あると思えばある、ないと思えばない」というのは、意識の世界のお約束的な話です。(仏教用語を使うとこの話は「色即是空 空即是色」の8文字に集約されます)

「何が正しいか」は言葉の空間ではどうとでも言えますし、常識というのも育った地域や住んでいる世界によって異なるほうが普通です。

これは、言われてみれば「納得」な話なのですが世の中の大半の人は実際には体で理解してはいません。

例えばメールやチャットは即レスが基本という文化で生活している人は365日いつでもすぐメールを返してきます。私のある取引先はわりとこの文化の人が多く、用がある時にはとても便利なのですが、私自身はこの文化を取り入れたいとは決して思いません。「その風習を取り入れるのは善でも美でもないと感じる」からです。

こういう場合に「すべては空」みたいな、「現実と感じていることの臨場感を下げる」という視点を当たり前のように持っていると「あなたはあなた。わたしはわたし。」と正しい区別をすることが可能になります。

「神は死んだ」(ニーチェ)でも「仏もまた塵」(禅)でもいいのですが、現実への臨場感を下げる意識を持つということは日常的にも大事なのです。現代は昔と違って異なる常識の存在と接する機会が増えているので、「現実の臨場感を下げる」という視点がないとコミニュケーションが成立しにくくなります。

また、「一切は空である」という「全否定」という武器は持った上で、「神聖な何か」を感じる「臨場感」を上げるということも必要です。

神仏でも天使でも何でもいいのですが「聖なる世界」への「臨場感」が低すぎると、リーディングはただのカウンセリングや先輩アドバイスになってしまいます。

カウンセリングや先輩アドバイスに価値がないということを言いたいわけでは全くありません。ただ、神託的なものというのは「神聖な何か」が1ミリでも1グラムでも入っていないとその意味を大きく失います。

「神秘の世界」への臨場感が低すぎる場合は、どんなタイプのものであれタロットやオラクルのようなものを取り扱うことは難しくなってしまうでしょう。


まとめ

抽象度という概念には

「ズームして見たり、引いて見たりすること」

「世界への臨場感を高めたり低めたりする」

この2つの要素があることを今回は見てきました。

こういう言葉や概念を口にするかどうかはさておき、うまくタロットやオラクルを使っている人はこういうものの見方を息を吐くように自然に使うことができています。

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